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売掛債権の対抗要件はどのように備えるか

流動資産担保融資保証制度の利用に際して、売掛債権の譲渡を受けるにあたり、どのように対抗要件を具備したらよいか。

売掛債権譲渡の対抗要件は、民法の定める「通知」、「承諾」、「登記」の3種類があるが、個人事業主の場合は、「登記」を利用することができないから、民法の定めによる「通知」または「承諾」によるものとする。なお、個別保証で既に受取手形により回収された売掛債権のみを担保とする場合は、対抗要件の具備は不要である。また、個別保証の場合は、法人、個人を問わず、民法の定める「通知」または「承諾」によるものとする。

通知、承諾または登記による対抗要件具備
売掛債権に譲渡担保権を設定するときは、取扱金融機関と信用保証協会の準共有名義によって、対抗要件を具備する。これは、本制度が80%の割合保証であることに加え、信用保証協会が代位弁済しても、代位したことを公示する手段がないためである。具体的には、民法468条に基づく異議なき承諾、民法467条に基づく確定日付のある通知または承諾、動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(平成10年法律第104号)(以下、「動産債権譲渡特例法」とする)4条に基づく債権譲渡登記によるものとする。

民法468条に基づく異議なき承諾
異議なき承諾とは、第三債務者が譲渡人に対して対抗できる抗弁を留保しないで債権譲渡の承諾をすることである。つまり、異議なき承諾をすることにより、第三債務者は、譲渡人に対して対抗できた事由があったとしても、譲受人に対して一切対抗できないこととなる。承諾書は所定の書式を使用し、本件貸付実行前に確定日付を取得する。なお、第三債務者の印鑑は原則として実印を押印するが、取引基本契約書が存在し、その契約書と同一の印鑑を押印することもさしつかえない。